中東ビジネス最新情報 ・2021年8月18日

アブラハム合意から1年 UAEとイスラエルの現在と今後の展望

UAEとイスラエルの国交正常化をもたらしたアブラハム合意が締結されて、8月13日で1年が経ちました(2020年8月20日記事「UAEとイスラエル間で和平合意が実現」)。1年間で両国の関係は様々な面で強化されており、今後さらにそれが進展していく見込みです。

イスラエル中央統計局によれば、両国の貿易額の2020年1月から2021年6月までの合計額は7億USD以上に達しており、2021年全体で10億USDに達する見込みとのことです。また、2021年上半期の貿易額は、前年同期比の10倍以上に上るという試算もあり、3年後には年間30億USDの貿易額に達するとの見立てもあります。

また、合意後に結ばれたMOUは40近くに上り、その他の金融、スポーツ、農業、メディア等様々な分野における戦略的パートナシップは30近くに上っています。2020年6月に設立されたUAE・イスラエル・ビジネス協会(UAE-Israel Business Council)の関係者によれば、2021年は特にロジスティクス、医療およびスタートアップ分野での協力を強化していくとのことです。

報道によれば、1か月半後に迫ったドバイ万博には、イスラエル館も出展される見込みであり、イスラエル政府高官も多数訪問する予定です。

コロナ禍という危機的な状況においても、また、本年5月のガザ空爆をきっかけとしたイスラエルとパレスチナの衝突激化という政治的に困難な状況においても、イスラエルとUAEはアブラハム合意をきっかけに着実に関係を進展させています。両国の益々の関係深化は、UAEがアラブ諸国におけるハブのみならず、イスラエルというビジネス大国へのゲートウェイとしての重要性も帯びてくることを意味しています。したがって、日本企業様における中東地域でのさらなる事業拡大に際して、UAEの位置づけがさらに重要になってくると考えられます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAEや中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

また、本件に関しましては、弊社が毎月発信しているお役立ち情報において、2020年10月に「UAEとイスラエルの国交正常化に伴うビジネス環境の変化」というタイトルにて無料でダウンロードが可能ですので、ぜひご参照ください。

参考文献:
UAE and Israel will use Dubai Expo as launchpad for $3b in trade by 2023-24 | Expo2020-news – Gulf News

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