中東ビジネス最新情報 ・2021年3月1日

Gulfood2021への出展から感じたこと

2/21-2/25にかけて、今年も中東地域の食の祭典であるGulfood 2021が開催されました。Gulfoodは世界でも最大規模の食品の展示会であり、毎年世界中から出展者、訪問者が訪れ、大いに賑わうイベントです。主催者発表によると今年も85カ国から2,500社が出展したとのことで、Gulfoodはコロナ禍にも関わらず、今年もリアルイベントとして大々的に開催されました。弊社は日本食品の輸出事業も行っていることから、今年もJETROの運営するジャパンパビリオンに出展させて頂きました。本稿では今回のコロナ禍での展示会出展を通じて感じたことを何点か紹介したいと思います。

最初に驚いたのは、各国のパビリオンがコロナ禍においてもほとんどが縮小/廃止されずにしっかりと建設そして運営されていたことです。今年は来場者がかなり減少することが事前から予測され、出展者の渡航が難しいケースも多かったため、パビリオンの出展を見合わせる、もしくは規模を縮小させるケースが増えるのではないかとも考えられましたが、例えばジャパンパビリオンの周囲のブラジル、イタリア、ペルー、フランスなどのパビリオンも昨年同様に設置され、しっかりと展示を行っていました。これは、Gulfoodなどの人気のある展示会は一度パビリオンを縮小/廃止してしまうと再び場所を確保するのが困難となるため、各国が来年以降のことを見越してパビリオンを維持したからだと考えられます。こうしたところから、Gulfoodはポストコロナにおいても価値を認められ続けるイベントであることを実感しました。

その一方で、やはり今年の来場者数の少なさには寂しさを感じたのは事実です。Gulfoodでは例年特にサウジアラビアなど周辺産油国からの来場者が多いことが特徴の一つとして挙げられます。ただ、今年はコロナ禍によってそうした国々からの渡航が制限されてしまったため、来場者の多くが在UAEの人々となり、その結果来場者の総数は例年の半数以下となっていたのではないかと思います。しかし、逆の見方をすればこの状況でも来場する人々はしっかりとした目的意識を持った人々であるため、質の高いバイヤーと遭遇する確率が上がったのもまた事実です。したがい、今年はお祭りのような賑やかさはあまり見られませんでしたが、地に足の着いた質の高い展示会であったということができます。

最後に、ブースにウェブミーティングができる設備を置き、遠隔で商談を行う方法には大きな可能性を感じました。ジャパンパビリオンに出展した企業も多くは、実際に渡航はせず、商品のサンプルを送付して各社のブースに並べてもらい、商談はウェブ上で行うという形態を取っていました。従来型のFace to Faceの商談と比べると不便さや戸惑いがあるのは事実ですが、世界中の人々のウェブミーティングに対する許容度が上がったことで、これは今後の展示会をより効率化していく良い動きになるのではないかと思いました。全てをウェブ化するのは難しくとも、渡航人数を減らし、ブースの設置や試食配布などの一般業務は外注することなどで、出展コストも削減できるようになると思います。このように、今回のGulfoodはコロナ禍というビジネスにとって厳しい状況下ではありましたが、その中でもドバイにおける展示会のこれからの進化の可能性を感じることができる有意義な機会となりました。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。


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