中東ビジネス最新情報 ・2021年1月26日

UAEを取り巻く地域情勢の変化

2021年1月24日、アブダビにおいてイスラエル大使館が公式に開館しました。また、同日、UAEの国会はテルアビブにおけるUAE大使館の開設を決定しました。これは昨年8月に両国の間で交わされた国交正常化に伴うもので(2020年8月20日記事)、アシュケナージ・イスラエル外相は、「大使館の開設が両国の様々な分野の関係強化を促進し、政府間だけでなく、経済分野、民間企業、学術分野やメディアなど、様々な機関の間での協力が促進されるだろう」と述べています。昨年の国交正常化以降、すでに両国は様々な分野で民間企業の協業体制が進んでいましたが、今後はその流れがより加速されると期待されます。

また、イスラエルだけでなく、アラブ諸国内部でも変化が起きています。2021年1月5日にリヤドで開催された湾岸協力会議の首脳会議で、ムハンマド・サウジアラビア皇太子は、2017年6月以来続いていたカタールとの断行を中止する旨を発表しました。今回の断行には、サウジアラビアに加えてUAE、バーレーン、エジプトが参加していましたが、断交中止に伴い、各国とカタールとの陸・海・空すべての国境が再開しました。世界有数の天然ガス埋蔵量を誇るカタールが、同地域での孤立から解放されたことで、湾岸諸国におけるビジネスチャンスも大きく拡大することが期待されます。

中東地域は、域内外での政治情勢に左右されることが多く、上記のような変化も、イランや米国の動向に大きく影響されています。ただ、今回のように国家間の障壁が取り除かれることは、人の往来がより自由度を増し、域内のビジネスの活性化につながります。それに加えて、中東進出を検討している日本企業にとっても、中東ビジネスのハブとなっているUAEに拠点を構え、同地よりイスラエルやカタールともビジネスを行うことがより容易になり、中東におけるビジネスの裾野が拡大することが期待されます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

なお、本記事に関しまして、UAE企業のイスラエルにおける取組や、今後のビジネスの方向性等を記した「UAEとイスラエルの国交正常化に伴うビジネス環境の変化」という資料が当社ウェブサイト(2020年10月掲載)にアップロードされているので、ご興味ある方は是非ダウンロードしご覧ください。

参考文献:
Israel Opens Embassy in UAE, Expanding New Relations | World News | US News
Qatar: Arab countries agree to end years-long feud with Doha that divided Gulf – CNN


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