中東ビジネス最新情報 ・2021年1月13日

サウジアラビアにおける中東地域統括拠点の誘致政策

フィナンシャルタイムズ紙は1月11日に、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が現在、グーグルやシーメンスといった世界的な多国籍企業の地域統括拠点をUAEのドバイからサウジアラビアのリヤドに誘致するための”Program HQ”と呼ばれる施策を推進しようとしていると報じました。同記事には現地の規制当局に対して助言を行っているコンサルタントによる、当局はITや金融、石油関連事業を展開している優良企業に対してインセンティブを提供する準備を整えているとのコメントが紹介されています。

サウジアラビアが現在掲げているビジョン2030の中の目標の一つとして、同国を中東のビジネスハブに育てることが挙げられており、本施策については同目標を達成するための重要な一歩であると考えられています。サウジアラビアとしては、リヤド北部に位置するKing Abdullah Financial District(59の高層ビルが立地する商業エリア)に企業誘致を行いたいと考えており、世界的な多国籍企業の地域統括拠点を同地に誘致することを目指していると報じられています。

また、同記事においては、前述のコンサルタントが誘致対象となる企業に対して提供するインセンティブについても情報を開示しており、50年間の免税を受けられる、サウダイゼーション(サウジアラビアにおける現地人雇用規制)の対象外となる、将来的に変更される規制の対象外となる措置が提供される、といった内容が含まれていると述べています。

サウジアラビアは中東地域において人口、経済規模共に最大で、多くの企業にとって潜在的なビジネスチャンスが眠っている国です。これまでは、UAEに地域統括拠点を置いたうえで、周辺国におけるビジネスチャンス探索を行うといった企業が多かったのですが、もしかするとその傾向は少しずつ変化していくのかもしれません。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、拠点設立における事業性評価、現地パートナー候補のご紹介といったご支援をさせて頂いております。中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

参考文献:
The Financial Times
(https://www.ft.com/content/b968a082-486b-4eb0-b268-e1f2377891d9)



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