中東ビジネス最新情報 ・2020年12月1日

会社法改正により、UAEにおける外資規制緩和は加速するのか

アラブ首長国連邦(UAE)のシェイク・ハリファ・ビン・ザイード・アル・ナヒャン大統領は、2020年11月23日にUAE Commercial Companies Law(UAE会社法)を改正し、UAEにおける外国直接投資(FDI)へのアプローチにいくつかの根本的な変更を導入する、と発表しました。

現地大手紙のThe National紙は、改正の中には、オンショア企業は、UAE人または企業がマジョリティを保有しなければならないという要件の撤廃が含まれると述べており、そのほかにも、外資企業が現地において商品の販売を行う際に、UAE人またはUAE企業が外国企業の代理人(Agent)として活動しなければならないという規定を無効にする、また、会長や取締役会の過半数をUAE人が占めなければならないという条項も撤廃されると報じています(石油・ガスや公益、運輸など戦略的重要性の高い産業や、国営企業は例外となる見込みです)。

ただし、本法改正が実際に導入されるタイミングとしては、官報での公布から6カ月後となっており、まだ実際の法律文書が公表されていない状況にあります。これまでも、UAEにおいては外資規制緩和に関する発表がありましたが、法律文書を踏まえ、現地の当局へ相談をすると、実はハードルの高い条件(現地への投資、雇用創出、技術開発拠点の設立等)が付いている、多くの業種が“Negative List(規制緩和対象外の業種のリスト)”に掲載され、期待されていた業種は規制緩和の恩恵を受けられない、といった事象も多く発生していました。

そのため、今回の法改正についても、実際の法令の公布まではどのような結果をもたらすかわからないといった慎重な声が現地の弁護士事務所等からは聞こえてきますが、もしかすると、今後は代理店が不要になる、現地に100%外資資本のオンショア企業を設立可能になる等、日系企業にとって更にビジネスがやりやすい環境が整う可能性も考えられ、今後の動向に注目する必要がありそうです。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

参考記事:
The National (https://www.thenationalnews.com/business/economy/uae-revamps-foreign-ownership-rules-for-commercial-companies-1.1116335)


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