中東ビジネス最新情報 ・2020年11月10日

アブダビの先端IT企業Group 42の拡大路線

アブダビは近年産業多角化と新産業育成に力を入れて取り組んできており、その一環として先端技術ハブの形成を目指しています。このため海外からのスタートアップ誘致など様々な取組がなされていますが、UAE企業を育てる動きも進んできています。その良い例と言えるのが2018年にアブダビで設立されたGroup 42(G42)です。

G42は主に政府部門やヘルスケア、金融など様々な業界に対して人工知能とクラウドコンピューティングサービスを提供しており、同社の保有するスーパーコンピューターは昨年世界26位にランクインしました。G42は創業以来活動領域を広げ続けており、例えば昨年の11月にはアブダビの国営石油会社であるADNOCと石油業界向けのAI開発を行うための合弁企業設立を発表し、また今年の7月からはSinopharm CNBGと共同でUAEにおいてCOVID-19のワクチン治験を開始しています。UAEとイスラエルが歴史的な国交正常化を成し遂げた今年9月のアブラハム合意への調印がなされると、G42はすぐにイスラエルに拠点を設立し、これはUAE企業がイスラエルに拠点を設立した最初の事例として話題を呼びました。

更に今月2日には、G42によるInjazatとKhaznaの買収が発表されました。これら2社はいずれもアブダビの国営投資会社であるMubadal傘下の企業であり、Injazadはデジタルトランスフォーメーション、クラウド、サイバーセキュリティといったサービスを、またKhaznaはデータセンター事業を展開しています。こうしたITインフラの分野を取り込むことで、G42は更にサービス領域を増やしていく戦略のようです。また、これら2社の買収と同時に、MubadalaがG42の少数株主となることも発表されました。

このように、UAEでは現地政府の強力な推進力とバックアップ体制のもと、先端技術マーケットの形成が進んできています。今後は世界的にも先端技術を牽引しているイスラエルとの協業事例も増えてくるものと考えられ、こうした分野が中東地域にいて新たな産業として発展していくことに対する期待も高まります。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。


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