中東ビジネス最新情報 ・2020年10月14日

アブダビが世界最大規模の屋内農場建設を発表

COVID-19のパンデミックの影響により、砂漠気候に位置するUAEでは食糧安全保障が大変重要な国家課題となっており、ドバイ首長兼UAE首相であるシェイク・モハメッドは、今年の8月に「水と食糧安全保障は国家の最優先事項の一つである」と述べ、その重要性を強調しています。このような状況の中、砂漠気候でも農作物の栽培が可能な植物工場ビジネスがこれまで以上に注目されるようになっており、今年9月23日に、UAEの首都であるアブダビにおいて、世界最大規模の屋内農場建設計画が発表されました。
The National掲載

この屋内農場はアブダビのRainMakers Capital Investment社がオランダのGrowGroupIFS社との提携のもとで手掛けようとしているもので、農場の総面積は17.5ヘクタールに及び、毎年10,000トンもの生鮮食品を生産することを目指しています。この広大な敷地では垂直農法と露地栽培の両方の栽培方法が取り入れられるとのことですが、高度な農業技術を導入することによって、水の消費量を95%削減することが可能となり、また二酸化炭素の排出量も40%削減される見込みとのことです。

この農場は、UAEで万博が開催される来年10月までに、Phase 1区画をオープンさせる予定とのことで、具体的なタイムラインを設定したうえでプロジェクトが進行していくものと考えられます。

UAE政府は2018年に「National Food Security Strategy 2051」と呼ばれる食糧安全保障に関する戦略とビジョンを発表し、その中で2021年までに国内の農水産物の生産量を10万トン増やすことを目標の1つとして掲げています。こうした政府の方針のもとで、今後も新たな植物工場プロジェクトやag-techの活用事例が生まれていくものと考えられます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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