中東ビジネス最新情報 ・2020年10月7日

UAEが新たな宇宙産業に関する戦略を発表

2020年9月末、UAEにおける国営の宇宙産業の研究機関であるMohammed bin Rashid Space Centre (MBRSC)より、2021年以降の宇宙産業に関する戦略が記載された、”The Emirates Lunar Mission”が発表されました。中でも、UAE初の月面車の開発を2021年に開始し、2024年までの発射を目指すという旨が注目を浴びています。
同月面車は、“Rashid”と命名され、開発は100%UAE人のエンジニア及び専門家がチームを組成し、実施することが表明されています。同ミッションが成功すると、UAEはアラブ諸国で初、世界でも米国、ソビエト連邦、中国に次ぐ4番目の月面着陸に成功する国となります。

このミッションは月の土壌とその成分、熱特性など、月の表面のさまざまな側面を研究するためのテストを実施することを目的としています。月面の照らされた部分にある月のプラズマ、光電子、塵の粒子についての一連の測定、分析、テスト等を実行する予定です。また、月面車は複数の画像を撮影し、それらをドバイの制御室に中継します。また、同ミッションは、過酷な月面環境で生き残り、機能するように特別に設計された、材料、ロボット工学、モビリティ、ナビゲーション、および通信の新技術をテストする予定としています。

ただし、UAEは本ミッション内において、月面車を月面に運ぶ着陸船は開発しないと明言しています。本ミッションのプロジェクトマネージャーであるAdnan Al Rais氏は、「UAEは着陸船を月に運ぶために国際的なパートナーまたは商業プロバイダーに目を向ける」、また、「月面車を月面に届けるため、すべての選択肢を模索している」と述べています。これには、他の国家宇宙機関とのパートナーシップや、商業的な月面着陸船ミッションでのスペースの購入が含まれ、今後数か月以内に、着陸を提供するパートナーを選択すると考えられています。

UAEは、2020年7月にも、アラブ初の火星探査機である”HOPE”を鹿児島県の種子島宇宙センターより打ち上げており(ロケットは三菱重工業のH-IIAロケット)、国として宇宙産業を戦略的に育成する方針を掲げています。UAE人のエンジニアを始め、人材の育成が徐々に進みつつある一方で、全ての機材を国産でまかなうレベルに到達するには、引き続き、他国とのパートナーシップは必須である状況と言えます。日系企業にとっても事業機会が拡大する産業と考えられ、今後の動向を引き続き注視することが推奨されます。

参考ウェブサイト:
Space news(https://spacenews.com/uae-to-develop-small-lunar-rover/
Satellite Promo(https://bit.ly/34twaex


Copyright© 2020 ksn Reserch & Consulting. ALL Rights Reserved.