中東ビジネス最新情報 ・2021年4月20日

UAEと日本の宇宙ベンチャーispaceが月面探査において協力

2117年までに火星に人類が居住できる最初の都市を建設する計画”Mars 2117”を掲げているUAEは、2021年2月の火星探査機”HOPE”の火星周回軌道への投入成功に続き(2021年2月16日記事 UAEの火星探査機「HOPE」火星に到着)、日本企業との協力のもと、月面探査の計画も進めています。2021年4月14日、日本の宇宙ベンチャーispaceは、UAEの宇宙開発拠点「The Mohammed bin Rashid Space Centre(MBRSC)」と契約を結び、MBRSCが開発予定の月面探査車「Rashid」をispaceが開発する月着陸船に搭載する旨発表しました。

ispaceが進める月探査計画「HAKUTO-R」は、民間初の月面着陸を目指し、ispaceが開発する月着陸船にMBRSCの”Rashid”を搭載の上、米SpaceXのロケットにより2022年にフロリダから打ち上げられる予定です。民間事業としての月探査計画は、2019年にイスラエルの探査機が月面着陸に失敗しています。本事業が成功すれば、民間初、中東初、世界で4か国目の月面探査事業の成功となります。

また、MBRSCが開発予定の”Rashid”は、総重量10㎏であり、これまでで最軽量の探査車である中国の月面無人探査車(140㎏)の10分の1以下となり、世界最小の月面探査車となります。小型ではあるもの、”Rashid”にはHDカメラ、顕微鏡、赤外線カメラ、プラズマ計測器、3Dカメラなどが搭載される予定であり、月面の砂塵の特性や、地表の熱特性の調査など、科学探査を行う計画です。同探査は、上述の”Mars 2117”遂行のために必要な技術等の月面における実証も兼ねています。

UAEはコロナ禍においても先端技術を駆使した産業を積極的に促進しており、宇宙開発もその最たる例です。今回のispaceとの協働のように、日本の先端技術を駆使したビジネスチャンスは今後もより一層拡大していくと見込まれます。
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参考文献:
UAE to send Emirati-made lunar rover ‘Rashid’ to the moon next year | Science – Gulf News

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