中東ビジネス最新情報 ・2022年7月11日

アブダビ、初の石油出荷から60周年

7月4日はアメリカの独立記念日として知られていますが、アメリカの地球の裏側に位置するアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国においても、非常に特別な日です。60年前の1962年7月4日は、アブダビ沖合いに位置するウムシャイフ油田で採掘された原油がブリティッシュ・ペトロリアム社のタンカーにより初出荷が行われた日なのです。この日は、アブダビにとって貧困や病気からの解放、そして必要な医療や教育、清潔な飲み水や公共衛生の欠如から脱するといった意味での解放を意味する重要な日です。アブダビからの石油輸出が開始されたことにより、UAEにとって素晴らしい時代が幕を開けたのです。

1962年7月4日の午後、当時の相場で45万8,197ドル相当の石油、25万4,544バレルがイギリスの船「ブリティッシュ・シグナル」で出荷されました。1962年当時の石油1バレルの価格は1.80ドル。今日の原油価格は1バレル117ドル。初回の出荷量を現在の価値に換算すると、300万ドル以上になります。

UAEは世界第7位の石油埋蔵量を誇り、1962年当時のアブダビの年間石油生産量は1,050万バレルでしたが、現在は日量約400万バレルまで生産能力を増強し、日本を含む世界中の国々へ輸出されています。石油からの収入によりUAEは大きく変貌を遂げ、1960年代当時には世界で最も貧しい国の一つであったUAEは、今は最も豊かな国の一つとなっています。

UAEは石油産業の成長により富を得て、医療や教育の無償化など、国民にとってより良い生活環境をも提供しました。また、国の未来の築くための投資も積極的に行っています。より持続可能な経済を実現させるために、石油によって経済が支えられてきたUAEが、石油のない未来に向けて新しい再生エネルギーや産業の多様化に向け、様々な取り組みを行っています。

2015年のスピーチにて、当時皇太子だった現UAEのムハンマド大統領は、「50年後に最後の1バレルの石油を輸出する際に、我々は悲しむと思いますか?」と問いかけ、「もし我々が今日、正しい分野に投資をしていれば、その時我々はその最後の1バレルを祝うことが出来るでしょう」と付け加えました。石油の初出荷から60周年を迎えたUAEは、その言葉通りの道を歩んできており、今後の発展にますます関心が寄せられます。

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参照記事:https://www.thenationalnews.com/uae/2022/07/04/abu-dhabi-marks-60-years-since-first-oil-shipment-left-emirates-shores/


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