■中東ビジネス最新情報 ・2022年2月8日
UAE、2023年に初の法人税導入へ
アラブ首長国連邦（UAE）の財務省は、2023年6月1日より企業利益に対する連邦法人税を導入すると発表しました。法人税率は9％と低く抑え、中小企業やスタートアップ事業などを支援するため、37万5,000ディルハム（約1,200万円）までの利益については非課税とし、企業にとってUAEに拠点を有する魅力を維持することを目指す方向です。UAE財務省事務次官のYounis Haji Al Khoori氏は、法人税率9％への移行について、「税金の透明性に関する国際基準を満たし、違法行為などを防止することを目的としている」と言及しています。また、世界経済のデジタル化への懸念や、今後適用されるOECDによる多国籍企業の最低法人税率の導入も背景にあっての動きであると現地報道において報じられています。
新たに導入される法人税については、すべての企業による商業活動が課税対象となりますが、個人の所得税や不動産、投資利益などの現行の非課税制度の多くはそのまま残ることになる予定とされています。また、必要な要件を満たしている限り、フリーゾーン内の企業は引き続きの法人税非課税の税優遇措置の恩恵を受け続けることができるとも同氏は述べています。
UAEは2018年に付加価値税（VAT）を導入しており、新たに法人税を導入することで徴収対象を広げ、歳入の多角化と拡大を実現させる意向があると考えられます。また、この動きはUAEが掲げる経済開発戦略の加速化を志向する政府の方向性とマッチしていると考えられます。国際ビジネスや観光のハブとして、長年にわたり法人税を非課税とする恩恵を国内企業に対して提供してきたUAEにおいて、法人税が導入されることは歴史的なマイルストーンになると言えるのではないかと考えらます。法人税の詳細については、2022年中旬頃には追加の情報が公開されると発表されており、今後の動きに関心が寄せられます。
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参考文献：
https://www.khaleejtimes.com/uae/uae-announces-new-tax-to-go-into-effect-next-year https://www.reuters.com/markets/rates-bonds/uae-introduce-federal-corporate-tax-business-profits-june-1-2023-2022-01-31/
