中東ビジネス最新情報 ・2022年2月1日

UAEにカジノが上陸か

2022年1月、主に欧米の主要メディア等により、ラスベガスのホテル運営事業者であるWynn社がUAEの首長国の一つであるラス・アル・ハイマにカジノを備えたメガリゾートを建設する計画であることが報道されました。UAEにはこれまでドバイを中心にカジノ建設の話題が幾度となく持ち上がったことがありましたが、2021年4月にドバイ政府はこれを正式に否定、現在に至るまでUAEの全ての首長国においてカジノは公式に認められてはいません。

そのような中で、今回はUAEの主要紙であるThe NationalもWynn社によるカジノ建設計画に関する記事を報じており、その行方に注目が集まっています。

https://www.thenationalnews.com/uae/2022/01/26/developer-outlines-many-elements-of-ras-al-khaimahs-wynn-mega-resort/

この記事の中では、確かにWynn社がラス・アル・ハイマのマルジャン島に2026年までに1,000室を備えるホテルをオープンさせ、そこにはレストランやコンベンションセンターの他に「Gaming Area」が併設される予定であることが述べられています。

しかし記事中に述べられているように、正確にはこの「Gaming」が何を指すのかに関してはラス・アル・ハイマ当局及びWynn社はコメントしておらず、ラス・アル・ハイマ政府もしくはUAE政府などが積極的にカジノ誘致や開発計画を打ち出している状況ではないことが分かります。UAEでは簡易版の宝くじなどの販売は許可されており、こうしたことから広義のギャンブルが全て規制されているわけではなく、今回はどこまでが「Gaming」の範疇に含まれるのかということがポイントとなるようです。こうした規制の曖昧さというのはUAEをはじめとする中東の政治・文化的な特徴と言うことができ、今後の当局の発表が注目されます。

ラス・アル・ハイマ首長国はドバイから車で1時間半ほどの位置に立地し、アブダビやドバイなどの首長国と比較すると経済規模が小さく一般に目立つ存在ではありません。一方で、事業コストの安さから製造業の集積があり、日本企業では日本メッシュ工業や竹中製作所などが工場を構えています。UAEと言えばどうしてもドバイやアブダビのイメージが強くなってしまいますが、カジノというキラーコンテンツがそのイメージを変える日が来るのか、注目したいと思います。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。




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