中東ビジネス最新情報 ・2021年6月7日

サウジアラビアにおける新規造水プラントプロジェクト

サウジアラビアのThe Red Sea プロジェクトはサウジアラビア2030ビジョンで発表された紅海岸のウムルイ市とアル・ワジュ市の間の 28,000 km2の地域開発プロジェクトです。The Red Seaプロジェクトでは、同地域における電力供給を再生可能エネルギーによって実施することを目標に掲げています。同プロジェクトの開発主体であるThe Red Sea Development Company は2021年5月30日にパートナーであるアメリカのSource Global社と共に、新技術を取り入れた飲料水製造プラントプロジェクトの立ち上げを発表しました。

同飲料水製造プラントでは、太陽光によって発電された電力のみで作動する”Hydropanel”を使用し、世界保健機関(World Health Organization, WHO)、サウジアラビア食品医薬品庁(Saudi Food and Drug Authority, SFDA)、GCC標準化機関(GCC Standardization Organization, GSO)がそれぞれ定める飲料水の基準をクリアする水を製造します。Source Global社によると、”Hydropanel”は同社が特許を取得している複数の技術を組み合わせ、太陽光から発電した電力を用いて、空気から汚染物質のないきれいな飲料水を抽出する、他に類を見ない再生可能な造水技術(renewable water technology)であり、製造された水は、組成と味が最適になるようにミネラル分が調整され、上質な飲料水となるとのことです。

また、The Red Sea Development CompanyのスポークスマンのAhmed Ghazi Darwish氏は同日、「第1期で100枚のHydropanelを設置し、第2期、第3期の拡張計画に基づき、合計1,200枚のHydropanelを設置する」と発表しました。また、同プラントの建設にあたって必要となる機械、設備、および飲料水の容器となるリサイクル可能なビン等についても、国内の企業から調達する予定であることを明かしています。同プラントを通じて、第一段階の時点では年間で100,000L、第3期までの拡張が完了した時点で700,000Lの生産力が想定されています。

サウジアラビアは2030年ビジョンの中で国内のエネルギー源を再生可能エネルギーにシフトさせる方針を打ち出しており、The Red Seaプロジェクトについても、その方針に沿った計画として位置付けられています。直近では2021年4月にSakaka太陽光発電所が稼働開始したことも話題になっています。Sakaka発電所の発電容量は300MWであり、4万5千世帯相当の消費電力に相当する発電容量を有しています。また、同発電所の発電容量は、今後、9.5GWまで増強されることが発表されています。

このように、サウジアラビアにおける再生可能エネルギー市場、特に発電や造水といった分野は今後も大きなプロジェクトが発表される可能性が高く、事業機会も拡大する可能性が高いため、注目するべき市場であると考えられます。

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参考文献:
https://al-ain.com/article/saudi-arabia-inaugurates-the-first-plant
https://www.source.co/how-hydropanels-work/



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