中東ビジネス最新情報 ・2021年6月1日

ドバイがフードテックバレー構想を発表

UAE首相兼ドバイ首長のシェイク・モハメッドは5月1日、自身のツイッターにてドバイのフードテックバレー構想を発表し、またその第1フェーズの立ち上げを開始したことを明らかにしました。現地紙の報道によると、このフードテックバレー構想はUAEの水・食糧安全保障省とWasl Properties社のパートナーシップのもとで展開されるとのことで、UAEの食糧生産量を3倍に増やすことを目的としているとのことです。

https://gulfbusiness.com/sheikh-mohammed-launches-food-tech-valley-in-dubai/

フードテックバレーは主に「農業技術及びエンジニアリング」「フードイノベーションセンター」「研究開発施設」「先端的な食糧のスマート物流ハブ」の4つのクラスターから構成されるとのことで、クラスターごとに先進的な取り組みがなされる計画となっています。

例えば農業技術及びエンジニアリングクラスターは、一年中重要な作物を栽培可能な植物工場を備え、またバイオエンジニアリング、自動化、ロボット工学、人工知能における革新的なプロジェクトの開発と、食品エコシステム全体の能力構築のサポートなどにも取り組む予定だそうです。また、「フードイノベーションセンター」ではスタートアップ企業や起業家を支援するためのアグリビジネスエコシステムを提供するとのことです。

UAEはその気候から食糧自給率が低く、国内で消費される大半の食材を海外からの輸入に依存してきました。そして新型コロナウィルスのパンデミックは、各国による食糧の囲い込みリスクを鮮明化させたため、UAEにとって自国での食糧生産量向上は最も優先順位の高い課題の一つとなっていました。

今回発表されたこのドバイのフードテックバレー構想は、まだ詳細までは発表されていないものの、日本企業にとってもビジネスチャンスとなる可能性は十分にあるものと考えられます。これまでは欧米勢による大規模な植物工場の導入が目立っていましたが、今回の取組ではフィージビリティスタディや研究開発などもその対象となっているため、まだ確立されていない新しい技術をドバイで試すというオプションも生まれてきそうです。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAEや中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。






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