中東ビジネス最新情報 ・2019年6月18日

ドバイの不動産市況

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ドバイと言えば828mを誇り世界一高い建物であるブルジュ・ハリファを始めとして、ユニークなデザインが施された建物が多い事で有名な都市です。

ドバイの人口は現在約440万人となっており、その内地元民は約8%と35万人程度しかおらず残りは高所得者層から単純労働者を含む外国人労働者とその家族でほとんどが占められています。
その様なドバイという都市では高価格帯から低価格帯までの建物がひしめいており、常に街の至る所で新しい建物の建設が行われているのを目にします。

人が集まる所に住むための場所となる建物が必要となるのは必然ですが、それではドバイの不動産の需給状況はどの様になっているのでしょうか。

中東最大の資産査定会社の一つであるValuStratの不動産部門を管轄するHaider Tuaima氏によると、ドバイが重要なプロジェクトとして打ち出していた建設事業も2018年にはほとんど目標通り建物の完成がなされた事から、2019年度以降は小休止を迎えるだろうとの目測を立てております。
それに関連して不動産価格についてですが、多くの建物が完成しその供給が440万人と他国の大都市と比較して多くはないドバイ市民へ十分になされるのだから、過剰供給となり不動産価格の下落は免れることが出来ないとの声もあります。
その一方、前述のTuaima氏はドバイという都市が持つ安全性、利便性、タックスフリーといった様々なメリットを考えるとドバイは引き続き外国人に取って魅力的な都市であり、毎年20万人ずつ人口の増加が見込まれることが期待出来る事から、不動産の需要は保たれるとの意見を述べています。

また、約3.7兆円の経済効果を見込むドバイ万博2020も近く控えており、(「ドバイ万博2020による経済効果は、約3.7兆円」)6ヶ月の開催期間で約2,500万人の入場者数が想定されています。
万博期間においてドバイという都市の魅力が改めて外国人に認識され、経済効果と共に不動産市場へも新たな需要が発生する事が期待されています。

更に、ドバイ万博後の使用敷地についてはその後の需要も見込み、住居や宿泊施設として改装されて使われる事が既に決められています。

この様な状況も踏まえて、特にドバイ万博後の不動産価格についての需給バランスがどの様になるのかについては議論が分かれる所です。
ドバイ政府としてはこれまでドバイが発展してきた様に、良い建物を作ればその需要が高まるのだから不動産価格は上昇するという認識もある一方で既に不動産は供給過多であるとの声もあります。

このようにドバイの不動産価格の先行きを見通すことは難しい状況にありますが、1年4ヶ月後に万博という一大イベントがあることを考慮すると、上昇傾向とは言えない現在の不動産価格はある意味でリーズナブルな状態であると言えます。
これから万博にかけて実ビジネスが盛り上がりを見せていくことは間違いないと考えられるため、賃料を始めとしたビジネスコストが抑えられているこのタイミングは、ドバイへの新たなビジネス展開を始めるにあたっては適していると言えるかもしれません。

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