中東ビジネス最新情報 ・2018年5月31日

UAE/ドバイで外資100%保有が可能に? 規制緩和の動き

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先日5月20日、ドバイ首長兼UAE首相のシェイク・モハメッドより「外資による100%保有を(一部)認める」という大変重大な発表がなされました。
http://wam.ae/en/details/1395302690251

皆様ご承知の通りUAEには外資規制があり、フリーゾーン以外での外資企業の株式保有割合の上限は49%と定められており、この規制がUAEで事業を展開するうえで大きな障壁となってきました。
実際のところ5年ほど前よりこの外資規制が緩和される見通しというニュースが時折出てはいましたが、その具体的な時期や実現可能性は疑問視されていました。
そのような中でUAE首相によるこの発表は、UAEにおいて大きな反響を呼んでいます。



外資規制緩和報道の概要

UAEの国営通信社であるWAMの発表によると、今回の規制緩和の目的は国際的な投資家や優れた才能を持つ方々を惹きつけることであり、投資家や科学者・技術者そしてイノベーターなどに10年の居住ビザを発給すると共に、今年末までにこうした投資家による持ち分比率の上限を100%まで高めることを検討しており、シェイク・モハメッドは関係機関に対し今年の第3四半期までに本件の詳細な検討結果をレポートするように指示を出したそうです。
この記事からでは、どれだけ多くの外資企業に100%保有が認められるのか、そしてそのプロセス等は分かりません。恐らくUAE政府もまだ詳細は決めきれていないというのが実情でしょうが、これから述べていくように政府側は本腰を入れて動き始めているようです。


ドバイ政府は既に外資企業への接触を始めている

弊社ksnコーポレーションは、ドバイ政府機関で外資誘致を担当しているDubai FDIと正式な提携関係にあり、このニュースが発表されるとすぐにDubai FDIより面談の申し込みを受けました。
(この記事はDubai FDIからの承認の下、掲載しています。)
彼らはこの発表を受け、どのような外資企業が100%保有を希望するかの情報を集めており、そのインパクトを分析しようとしているとのことで、弊社は日本企業の動向に関して質問を受けました。
彼らは既に弊社を含む多くのパートナーと面談をしており、将来的に100%保有を認める可能性のある企業のリストアップを始めているようです。


どのような企業が求められているのか

Dubai FDIによると、(発表に合った通り)優れた技術を有し、UAEの産業育成に貢献できる会社を求めているとのことでしたが、現時点では必ずしもそれらに限定されているわけではないとのことです。
例えば既にUAEのフリーゾーンに進出をしている会社であっても、その企業の名声や今後の投資額、そして雇用創出の計画などによっては100%保有が認められる場合もあり得るとのことです。
前述の通りまだ確たることは決まっていない状況ですので今後この方針が変更される可能性もありますが、現状では多くの企業に門戸が開かれている状況のようです。
100%保有に関心のある企業様は、今のうちにドバイ政府に対して自社を積極的にPRしてくことが重要と考えられます。

ksnコーポレーションではこうした現地政府との提携関係の下で、中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、代理店のご紹介といったご支援をさせて頂いております。UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問合せください。


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