中東ビジネス最新情報 ・2018年9月20日

【規制緩和】 アブダビでフリーゾーンからの内地向けビジネスが可能に

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アブダビ経済開発庁 Abu Dhabi Department of Economic Development(以下ADDEDという)は9月15日に、フリーゾーンに立地する企業が二重ライセンスを取得することによってUAE国内(内地)向けビジネスを展開できるようにする、という大胆な規制緩和を行うことを発表しました。
これまでUAEでは、フリーゾーンに立地する企業は、外資による100%保有を認められる一方で、内地向けビジネスができないという規制があり、外資企業はこの規制の下で事業戦略を策定してきていたため、この規制緩和はUAE特にアブダビの事業環境を大きく変えることになるものと考えられます。

ADDEDによると、この二重ライセンスを取得できるのはサービス業、卸売業、FMCG、そして金融コンサル業などであり、この二重ライセンスのもと、アブダビ、アルアイン、アルダフラ地域において事業展開が可能となるとのことです。
現在のところこの二重ライセンス発行の対象となるのはアブダビにおけるフリーゾーンに立地する企業に限られるとのことですが、ADDEDは今後この対象企業を増やしていくことも検討しているようです。

この規制緩和により、これまでアブダビのフリーゾーンから再輸出のみの事業を展開していた企業はアブダビ内地もマーケットとしてとらえることができるようになり、またアブダビ政府や国営企業向けのビジネスの敷居も低くなるものと考えられます。
ただし、政府機関等向けのビジネスについては、各機関への事業者登録が必要など他の規制も絡んできますので、これらをどうクリアしていけるようになるかという点については注意が必要です。

これにより、アブダビへの企業進出がある程度加速していくことになるのは間違いなく、そうなると気になるのがドバイ政府の動向です。
ドバイのフリーゾーンからアブダビのフリーゾーンにオフィスを移転させる企業も増えると考えられるので、ドバイ政府がこれにどう対応していくのかが注目されます。
5月31日の記事(UAE/ドバイで外資100%保有が可能に? 規制緩和の動き)でUAE政府が現在外資による100%保有を一部認める検討をしていることを紹介させて頂きましたが、このようにドバイとアブダビをはじめとするUAEの事業規制環境は現在大きな過渡期を迎えていると見て間違いありません。

一般に、今までUAEにおける拠点立地候補は主にドバイのいくつかのフリーゾーンにほぼ限られているような状況ではありましたが、今後はしっかりと情報を整理したうえで、自社の事業内容にとって最適な立地を改めて選定していく必要が出てくるものと考えられます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、アブダビ政府機関にも幅広いネットワークを持ち、UAE・中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介といったご支援をさせて頂いております。UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問合せください。



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