中東ビジネス最新情報 ・2018年8月24日

サウジアラムコの上場計画が頓挫?サウジの産業改革はどこへ向かうのか

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サウジアラムコはサウジアラビアのダーランに本社を置く、サウジアラビアの国有石油会社で、世界最大の保有原油埋蔵量、原油生産量、原油輸出量を誇る石油業界最大の企業です。
サウジアラビア政府はサウジアラムコの株式の5%程度を公開し、約1,000億ドルの資金調達を行うという計画を2016年1月に発表していました。
この計画によると、サウジアラムコの時価総額は約2兆億ドルとなり、2018年7月末現在で時価総額世界最大の米・アップル社の約9,000億ドルの倍以上の世界最大の上場企業が誕生する予定でした。
この背景には、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が掲げるサウジアラビア経済の脱・石油による産業多角化などの野心的な政策を盛り込んだ改革計画である「ビジョン2030」が存在し、サウジアラビア政府はサウジアラムコの株式公開によって得る資金でサウジ国内のPIF (Public Investment Fund)を世界最大となる2兆ドルのソブリンファンドに育てようと目論んでいました。
2017年~2018年初旬にかけては、サウジアラムコが世界のどの証券取引所に上場するのか?といった話題が注目を浴びていたが、2018年5月頃には、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が「サウジアラムコの上場は2019年に後ろ倒しとなる可能性が高い」等と発言をしており、状況が不透明になってきていました。

サルマン皇太子がIPO計画を発表して以降、原油価格はバレル当たり80ドル近くまで倍以上の水準に回復しています。
また、イランやベネズエラ、リビアの産油量減少により、サウジは増産しても原油高の恩恵を享受できる状況になっており、一部の報道ではサウジアラビア政府にとっては、サウジアラムコの上場だけが収入を確保する手段だとはもはや考えていないとも報じられています。

また、サウジアラムコはPIFが保有するサウジアラビアの石油化学大手であるサウジ基礎産業公社(SABIC)の株式の一部を取得するための初期段階の話し合いに入っているとも報じられています。

サウジアラムコは石油のみならず、総合的な化学会社への変革していく方針を明らかにしており、昨年末、SABICと組んで原油から石油化学製品を直接、生産する大規模な事業に着手しています。
最近ではアラブ首長国連邦のアブダビ国営石油と組んでインドの石油精製・石油化学事業に出資するなど、グローバル市場での下流部門への進出を加速しています。

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